第1回「ロンドンの春」

こんにちは。東京都江東区にて、女性限定の少人数制のヨーロピアンスタイルのフラワーアレンジメント教室「Flower Salon Ambleside」を主宰する片野千恵です。4回に渡りコラムを書かせていただきます。ロンドンのお話も含めながら季節のお花について触れていきます。どうぞよろしくお願いします。

季節の中で一番待ち遠しいのは、春でしょうか。私の中では、ロンドンの春が印象的です。

私は、1995年~2000年までロンドンに滞在していました。イギリスの冬は、寒くて空はどんよりして暗い時間が長く続きます。午後3時くらいから暗くなるので、夜が長いのです。

どの家にも大きな庭が付いていて、冬の時期は葉も落ち、花もなく寂しいのですが、少し春めきだした2月終わり頃、クロッカスやヒヤシンスの葉がぐんぐん出てきます。

そして、お花の蕾が見えた頃、わぁ~そろそろ春がやってくる!と嬉しいものでした。その後は、たくさんのスイセンが、どんどん成長し始めて、庭1列に花開きます。庭が、イエロー1色の世界になるのです。中心街のグリーンパークやハイドパーク・リージェントパーク等どの公園もイエロー1色です。それは実に見事で、春が来た!とワクワクする瞬間でした。

私の教室でも春は待ち遠しく、市場に多くの春の花が出回り始めると、この時期だけしか出会えないお花もあるので、たくさん紹介していきたいと思って毎年レッスンしています。

その中でもラナンキュラスは、皆さまの間で人気です。今年はラナンキュラスを色々取り揃えまして、レッスンをしました。中でも豪華な『シャルロット』は、生徒さんもびっくり「こんなラナンキュラスもあるのですね」と。

そして、もう一つの楽しみな花は、チューリップです。様々な形状のチューリップ、一重・八重・フリンジ咲・パロット咲・ユリ咲などたくさんあって色々欲しくなっちゃいます。チューリップの素敵な飾り方は、やはりシンプルに10本くらいをどさっと花瓶に生ける、これが素敵だと思います。葉もしっかりと付いているので葉物も必要ないですし花瓶の中の止まりも良いです。

当教室では通常レッスンの他、テーブルコーディネート&お食事付きの【お花deおもてなし】のレッスンも行っています。

季節のお花、桃などをテーブルのお皿にあしらって『大人のひな祭り』を行いました。一枝を添えるだけで、テーブルに季節感がでて、より気持ちが高まりますね。そんなちょっとしたヒントもお伝えしています。

ところで、春といえば、桜ですね。

昨年、ご依頼で『桜がほとんどでの舞台装花』というのがありまして、3日間のピアノ発表会でした。ライトに照らされながらの3日間で、1日目からある程度の花を咲かせていなくてはいけないので、どのようにして花を仕入れようかと頭を悩ませました。

その結果、仕入れ時期を少しずつずらして開花を進めておき、桜の種類も3種類くらいで、淡いピンク濃いピンクなど混ぜ合わせながら、足元にはストックのピンクでなんとか舞台を華やかにしようと考えました。3日間のライトに照らされながらの桜の持ちはどうだろうかとハラハラしましたが、1日ごとに開花も進み綺麗に頑張って咲いてくれました。

舞台装花はよくご依頼いただきますが、長い期間の発表会だと、生ものだけに花材をよく考えないと大変なのです。生けこみしている間もステージってかなり暑いので……花持ちや開花の速度なども考慮しないといけません。

今年は、桜を入れたつぼ花も搬入しました。

卒業式到来です。女子高からのご注文だったので、桜入りのピンクグラデーションの可愛いイメージで生徒の皆様を送り出してあげたいなと思いました。お祝い・送別・退職時・母の日には、お花が欠かせませんね。

春は、一番お花の需要が多いときです。そして、種類も豊富。今だけしかない期間限定の春のお花を楽しみましょう。


■コラム執筆者のプロフィール

東京江東区豊洲にて女性限定少人数制のヨーロピアンスタイルのフラワーアレンジメント教室「Flower Salon Ambleside」を主宰。
1995年~2000年までロンドンで暮らし、日本で習っていたフラワーアレンジメントを本格的に勉強。帰国後仕事としていきたいと強く思い、現地のカレッジにて学ぶ。
ロンドン郊外のStanmore Collageにてイギリスの国際技能資格City&Guildsを取得。

Creative skills Certificate-Floristry
Creative studies Part Two-Flower Arranging
Modern Floral Design Diploma

2000年より自宅教室スタート。癒しのフラワーサロンとして小さなお子様を持つママ達に支持され口コミで広がる。
企業からのイベント講座やプリザーブドフラワーの展示即売用の商品を多数卸販売。レッスン以外にも会場装花や舞台装花・ブーケやアレンジのオーダーなど受注販売。ギャラリーやレストランにて花の展示会を開催。

2007年豊洲へ移転と同時にコースレッスンを開始。
カルチャースクールにて講座を持ちつつ、自宅教室から外部会場へ移りプリザーブドフラワー・生花レッスンなど様々なコースレッスンを行う。

2014年頃からウエディングや花店などの仕事で幅を広げる。デザイン追求の教室運営とスピード感と量をこなす花店の仕事の両面から学び花仕事を考える。

2017年自宅改装に伴い自宅サロンを再開。コースもリニューアルし、生花・プリザーブドフラワー・アーティフィシャルフラワー・ハーバリウムなど幅広いコース・単発レッスンを取り揃える。

Amblesideは色合いやレアな花材にこだわり、花屋では見かけない花や葉物を多く使用したシックな色合わせが特徴。
手作りのお菓子やお食事などを提供し、おうちにいながら特別な気分を簡単に味わえる方法などもお伝えし、1輪から花を飾る楽しさを皆さまにお伝えするべく日々レッスンを行っている。

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