お正月も目前!新しい年は気持ちも新たに迎えたいですね。
日本の伝統を大切に、縁起が良いとされる花を飾ってみませんか。
新年に向けて、各地のフラワーサロンでは、お正月にふさわしいアレンジメントや花飾りのレッスンが開催されています。
今回は、縁起物として古くから親しまれている「松竹梅」の他にも、おめでたい意味を持つ花材をピックアップしました。
美しく咲き誇る晴れやかなアレンジメントを、和洋あわせてご紹介します。
「松竹梅」をしつらえる
寒さに耐えながらも青々と美しい松に、まっすぐしなやかに空へと伸び行く竹、早春を告げる梅と、「松竹梅」は古来から吉祥のシンボルとして尊ばれてきました。
現代のお部屋にも馴染むお正月アレンジメント、正月飾りのヒントを探ってみましょう。
「松竹」の新春アレンジメント
扇型に広がる松に、直ぐな竹を使ったスタイリッシュな和モダンスタイルのフレッシュフラワーアレンジメントです。美しい緑に、縁起の良い紅白の花材と上り鶴、黄金色のマムが互いを引き立て合っています。
高さのある花材には、筒状もしくはつぼ型の花瓶がオススメです。口が狭まっていることで、茎が動きづらくなり活けやすいです。縦のラインが活きて、見た目もスッキリとします。
高さが30センチから50センチの花瓶は、枝物などの1メートルを超える花材でもバランスが取りやすくなります。全体を安定させるため、ある程度ずっしりと重量感のある花瓶だと、より安定感を確保できますよ。
冬でも枯れることのない松を見て、かつての日本人は「神の依り代(よりしろ)」として神聖化していました。竹も同様です。
松は「不老長寿」を、竹は「子孫繁栄」の意味を持ちます。
神木とされる花材を組み合わせて、普段とは一線を画すアレンジメントを作ってみましょう。
由緒ある「根引松」の正月飾り
「根引松(ねびきまつ)」をご存知でしょうか。「地に足が付く」「根付く」という意味合いから、正月飾りとして関西地方で重宝されてきました。特に京都において盛んで、起源は平安時代にまでさかのぼります。
生花としては、入手が難しい地域もありますが、こちらのアレンジメントではアーティフィシャルの根引松が使われています。お正月飾りアレンジメントの幅も広がりますね。
こちらのように、根引松そのものに存在感があります。大小2種類の根引松で、アレンジメントのボリュームや飾るスペースに合わせて変えてみましょう。
根引松を入れたアレンジメントは、お正月の贈り物として、また「その地に根付き、松のように末永く栄えるように」の思いを込めて、開業祝いでも喜ばれますよ。
「松」と「梅」の艶美なしめ縄飾り
こちらのあでやかな印象のしめ縄飾りには、和紙の扇を中心に、松と梅、椿やピンポンマムが美しくアレンジメントされています。
アーティフィシャルフラワーですが、つぼみに向かって徐々に色付きの淡くなる梅が情緒を感じさせてくれます。
梅の持つ紅梅色は、平安貴族が愛したと言われる高貴な色です。
『源氏物語』では、光源氏が心を寄せる朝顔の君に、紅梅襲(がさね)の装束を贈ったと記されています。当時は重ねた衣の配色で、四季を表現する文化がありました。
こちらの作品は、紅と紺があり、扇の色に合わせて花材を変えています。
重ねの配色を楽しむように、古くからある季節の色を取り入れたアレンジメントには、和の情緒と感性が宿ります。
縁起の良い花を組み合わせて
お花を美しく配置して整える作業は、私たちの心を落ち着かせてくれる不思議な力があります。
新年を迎えるにあたって、花を活けながら心をリセットしてみましょう。縁起の良い花を活けるとき、飾るとき、自然と満足感と安心感が得られるはずです。
胡蝶蘭のボックスアレンジメント
桐箱に収められた、優雅な花たちが美しいですね。花脈の際立った胡蝶蘭が、アレンジメントにリズムを与えています。
ふんわりと華やかなマムに、柔らかな色のグラデーションも楽しめます。「紅白」の彩りを洋の印象に、より現代風にしたい方は、ピンクとホワイトの合わせがしっくりくるかもしれません。
胡蝶蘭は、花が蝶のように見えることから「幸福が飛んでくる」という花言葉があります。幸せを願う新年にピッタリですね。
日ごろは鉢植えの形でお祝いの席に並べられていますが、年末年始には切り花も登場します。
花持ちも良く、切り花でも3週間ほどは楽しめるため、年またぎの主役にもってこいの花です。
菊とマムの和洋折衷コンポジション
自然を切り取ったように、イエローの花が重なり合う奥深いデザインです。菊を支えるオンシジウムにピンポンマム、間から芽吹く蝋梅が絶妙なバランスで配置されています。
「高貴」や「生命力」といった花言葉を持つ菊は、奈良時代に不老長寿の薬として中国から日本にもたらされたと言われています。
中国では、竹、梅、蘭に菊を足して「四君子」と呼ばれ、その高潔さから、東洋画の題材として多く描かれてきました。
枝が分かれて咲くスプレーマムと、一輪咲きのディスパッド、それぞれに種類が豊富で、花形や色の違いを楽しめます。和洋問わず、お好みのテイストで飾ってみてくださいね。
実り豊かなお正月スワッグ
たわわに実った稲穂を使った、ドライフラワーのお正月飾り用スワッグです。
日差しに輝く黄金色とナチュラルなグリーンの両方を合わせて、さわさわと音を立てて風に揺れる田園風景が思い浮かびます。
「難を転ずる」として縁起物の南天に、涼やかなグラス類の花材を束ねて。置いて掛けて、どちらでも美しく飾れますよ。
稲には「神聖」という意味があります。日本では稲を刈って食すだけでなく、神様への供え物としたり、貨幣としての価値を持つ時代もありました。
稲穂をアレンジメントに使うのは意外かもしれませんが、観賞用としてお正月向けのアレンジメントやしめ縄飾りなどで重宝される花材のひとつです。ぜひ取り入れてみてくださいね。
年末年始は、バタバタと気ぜわしい季節だからこそ、心身を労わることも大切です。穏やかな気持ちで、花を活けて飾る時間は何よりの癒しになります。
同じ花であっても、アレンジの仕方はさまざまです。自分で作ったアレンジメントを、好きな場所に置いて、それがふと目に入るとき、心がじんわりと温かくなるのを感じられるはずです。
幸せな気持ちで、新年の福を待ちましょう。
毎年アップデートされるお正月向けレッスンは、各サロンで開催中です。
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幸多き新年になりますように♪