クリスマスまでもうあとわずか。
木枯らしが吹いて、季節が秋から冬へと日ごとに近づいて来ましたね。冷たい北風に、色づいた木々の葉がやがて枯れていく様子は、いかにも冬らしい景色と言えます。
一方で、季節が移り変わっても、色を変えない植物があります。モミやスギ、ユーカリといった常緑樹と呼ばれる樹木たちです。
それらの樹木は「エバーグリーン」とも呼ばれ、そのいきいきとした緑は私たちを和ませ、いつまでも変わらない永遠の時を思わせてくれます。
色を変えないと言っても、葉が全く落ちない樹木は存在しないため、正確には「新しい葉が揃うまでに少しずつ落葉する樹木」や、「著しく葉の寿命が長い種類」を指します。
イエス・キリストの誕生を祝うクリスマスに、永遠の象徴でもあるエバーグリーンを使って、アレンジメントしてみませんか?
聖夜に相応しい定番のツリーから、リースやスワッグなど、クリスマスにぴったりなエバーグリーンアレンジメントを作ってみましょう♪
生花なら清々しい香りが楽しめて、アーティフィシャルフラワーやドライなら、今年だけでなく来年も、繰り返しお気に入りのアレンジが楽しめます。
今回は、エバーグリーンの象徴もみの木にまつわるストーリーと、各サロンから選りすぐりのクリスマス向けエバーグリーンアレンジメントをお届けします。
実はドイツがルーツ?
クリスマスの象徴「もみの木」が飾られるようになった理由
クリスマスツリーとして活躍するもみの木は、この時期のエバーグリーンを代表する木と言えます。
立派な見た目がクリスマスを象徴するように見えますが、なぜもみの木が使われるようになったのでしょうか?
もみの木をクリスマスに飾るようになったきっかけには、いくつかの説があります。
1.特別な存在としての「もみの木」
ひとつは北欧に住む古代ゲルマン民族が、神様に冬至のお祝いとしてもみの木を捧げていたことに由来します。寒冷地において、もみの木は「永遠に枯れない木」として特別な存在でした。
またドイツでは、常緑樹には小さな小人が宿るとされていて、人々へ力を与え、幸せを運んでくれると信じられていました。
そうしたゲルマン民族の文化と、キリストの生誕祭が融合して、もみの木への飾りつけが定着していったという説です。
2.聖ボニファティウスの奇跡
もうひとつの説は、8世紀の「聖ボニファティウスの伝説」に由来します。
聖ボニファティウスは、ドイツ・フリッツラーでの宣教中に、樫の木にいけにえとして捧げられそうになる男の子を見かけます。樫の木には雷神トールが宿ると考えられ人びとから畏れられていたからです。
そこで、ボニファティウスは木を切り倒しましたが災いは何も起こらず、少年も無事に助け出されました。
切り倒した切り株の横には、もみの木が生え「奇跡の木」とされ、宣教に用いられました。奇跡を見たり聞いたりした村人たちは、その後キリスト教へと導かれていったというお話です。
ボニファスはその地に小さな礼拝堂を建てました。今でもフリッツラーの街には聖堂と、当時を記念した銅像があるそうです。
フリッツラーはガイドブックでもあまり見かけない街ですが、クリスマスにゆかりの深い場所です。
メルヘンな木組みの家が立ち並ぶ景色は、おとぎ話の世界に入り込んだかのような気分にさせてくれますよ♪
クリスマス期間中、なにげなく目にしているクリスマスツリーですが、歴史的な慣習や伝承からここまで世界へと広がっていったのですね。
イエス・キリストが生まれたベツレヘムというよりは、ドイツにルーツを持つ話が多いのは意外かもしれません。
エバーグリーンのクリスマス向けアレンジ方法
もみの木をそのまま飾る……となると、なかなか難しいですが、今回お届けするアレンジメントは1日で作れるので、もっと手軽でとっても簡単です。
エバーグリーンを使ったアレンジメントには、いくつもの種類があります。
低木のコニファーをツリーとして飾ったり、モミやヒロムスギを束ねてリースにする等、誰とも被らないオリジナルのデザインで作れます♪
アレンジ方法別にご紹介します!
1.小さめサイズのおうちツリー
フレッシュグリーンのミニツリー
近頃は、自宅でクリスマスを穏やかに過ごす方も増えましたよね。ミニマムサイズの作品だと、おうちでも飾りやすく、雰囲気も十分に味わえます。
こちらのクリスマスツリーは、天使の羽が舞うフレッシュグリーンのツリーです。生花のため、森にいるようなアロマを全身で感じながらレッスンができます。
オレゴン産のモミにこだわって、本物の香りと共に柔らかな感触と手触りを味わえます。
高さ30センチで幅も17センチと、どこにでも置きやすいサイズ感です。クリスマスのパーティーテーブルで、メインに飾っても良いかもしれません。
受け皿も、立体的なリムのデザインが優雅で、作品の雰囲気ともマッチしていますね。こちらのアレンジメントが作れるレッスンは、生徒さんからも毎年好評だそうですよ♪
クリスマスツリーのウォールアレンジ
こちらはアーティフィシャル素材を使った、クリスマスツリー型の壁飾りです。ツリーなのに吊り下げられるタイプは珍しいですよね。
りんごの赤やスノーフレークの白といったクリスマスカラーが入ると、印象が明るくなってぐっとクリスマスらしい雰囲気の作品になります。
クリスマスには、かわいいオーナメントがたくさん売られていますよね。
飾りの種類がたくさんあって迷う方は、ウォールアレンジをいくつか作ってテイストを変えてみたり、置き型と壁掛けに分けて作ってみるのも良いですよ。
こちらの作品のように、松ぼっくりやクリスマスらしいヒイラギの実などを使えば、ナチュラルムードなアレンジになります。お部屋のインテリアにも合わせやすいです☆
2.クリスマスの定番リース
リースには、主に3つの意味があります。
ひとつは、その終わりのない丸い形から「永遠」や「神の愛」という意味を持ちます。
ふたつ目は「豊作祈願」です。松ぼっくりや木の実を飾ることが多い理由でもあります。
みっつ目は「魔除け」としての役割です。ヒイラギなど生命力のある常緑樹を玄関に飾ることによって、家族を守ってもらう意味がありますよ。
クリスマスにぴったりな意味合いを持つリースを、エバーグリーンでもっとスペシャルにしてみましょう!
ホワイト花材×グリーンリース
清楚な佇まいに思わず目が奪われるクリスマスリースです。エバーグリーンにホワイト系の花材やオーナメントでまとめて、まるでクリスマスの清らかな空気を表現したかのようですね。
生花で作られていて、はじめのうちは青々しい葉の見た目と香りが堪能できます。葉の緑を長く楽しみたい方は、霧吹きで1日に数回お水をかけてあげてくださいね。
しばらくすると、ゆっくりとドライになっていくので、その過程も飾ったまま楽しめます。
40センチ程度の大きさで、ボリュームもたっぷりありますよ♪
つるのナチュラルハーフムーンリース
リラックスした気分でクリスマスを過ごしたい方には、ナチュラルなクリスマスリースをご提案します。
こちらのハーフムーンリースは、土台につるのリースを使用して、いつものクリスマスリースよりシンプル寄りのスッキリとした見た目になります。ただ、ホワイトの松ぼっくりとシルバーのリボンがポイントになるので、決して地味にはなりません。
クリスマスを気取らず、軽やかに。飾る場所や世代を選ばないので、プレゼントにも良いですね。
クリスマスカラーリースにひと工夫
王道の色づかいに、シャギーな花材で個性をプラスしたクリスマスカラーのアーティフィシャルリースです。星に見立てたポインセチアも目を引きますね。
ゴールドやラメ付きの花材は、加工が自由なアーティフィシャルフラワーならではです。
アーティフィシャルフラワーは、比較的軽いため扱いが楽なのも特徴です。数が多くなりがちなクリスマスグッズの出し入れもカンタンです。
ときどき水拭きなどでお手入れをして、綺麗な状態が保てれば数年は同じ状態で飾って楽しめますよ♪
3.吊るしたり、束ねたり、アイディアetc.
ゴールドカラーが映えるウェルカムスワッグ
エバーグリーンがメインの、ガーランドタイプのスワッグです。イエス・キリストの誕生するベツレヘムまで、博士たちを導いたとされる星のように、きらりと輝くオーナメントがよく映えますね。
リース作りの際に使われる、巻き上げのテクニックが使われていて、平たくならずボリューム感があります。
リボンの色もゴールドにして、シックなクリスマスの飾りとしてオススメです。
「緑のシャンデリア」フレッシュグリーンのポマンダー
エバーグリーンのポマンダーは、ゆらゆらと揺れてエレガント。存在感も抜群です。
ポマンダーは、実はヨーロッパでは中世から定番のクリスマス飾りです。オレンジにいくつかのクローブの実を刺し、吊るして乾燥させて作ります。
クローブは、古くから抗ウイルス作用があると重宝されていて、生の素材を使っていながら腐れないそうですよ。
そんなポマンダーを、フレッシュなグリーンでアレンジ♪クリスマス時期のヨーロピアンなインテリアにもよく合います。
季節の花のスパイラルブーケ
深紅のスプレーバラに、ケイトウやワイルドフラワーの個性豊かな赤色の花を添えて、エバーグリーンと合わせたクリスマスブーケです。
鮮やかで豪華な見た目は、クリスマスを華やかに彩ってくれます。
年に1度のクリスマスに花を飾るのは、単に美しいからという理由だけでなくお祝いの席でのおもてなしの心を込める意味合いもあります。
大切な人の幸せを願って、見た人が心なごめるような気持ちを花に添えられたら素敵ですね。
いかがでしたでしょうか。
トラディショナルなスタイルから、自由で個性的なアレンジまで、あなたの好きなイメージで、ぜひエバーグリーンを使って作ってみてくださいね。
同じ花材を使ったとしても、ひとつとして同じ作品にはならないのも、手作りアレンジメントの醍醐味です。
フレッシュグリーンに加え、さまざまな種類のオーナメントやリボンなどを用意して、オリジナリティあふれる作品が作れるクリスマスレッスンを各教室で開催中です。
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