フランスと言えば、オシャレな街並みに、ファッション、ライフスタイルまで、何もかもが素敵に映りますよね。どこかのびのびとしているような、自由なイメージもあります。
花に囲まれた王宮に住むマリーアントワネットや、石造りのアパルトマンが並ぶ街をさっそうと歩くパリジェンヌ…いつの時代も、憧れを抱いてしまいます。
そんな、フランスのパリで愛されているアレンジメントは「パリスタイル」と呼ばれます。
休日を郊外で過ごしたり、自然を好むパリの人にとって、草花は身近な存在です。
「花の都パリ」と言われますが、実際にパリではスーパーや薬局といった生活に欠かせないお店と同じように、花屋さんを見かけることができます。
日本では「花=特別な日の贈り物」として、誕生日や記念日に飾る方が多いですよね。
フランスでは、マルシェで野菜を買ってお肉を買って、あとはお花…といったように、日常の中に花が溶け込んでいます。それも、必ずしも立派なベースに飾るわけではなく、コップやジャムの空き瓶など身近にある手ごろな器にサッと活けていたりします。
今回は、そんな憧れの地フランスで生まれた「パリスタイル」のアレンジメントを特集します。
「パリスタイル」とは?生け花との共通点も
日本では、古くから生け花に親しんできた文化があります。華道にはさまざまな流派があり、それぞれに礼儀作法やルールが存在しています。
流派による違いはありつつも、決して自己満足ではなく「おもてなしの心」を持って生けることが大切にされます。
また、花だけでなく葉にも、作品をより美しくより素敵に見せてくれるという重要な役割があります。1年を通して、その季節に咲く花材を取り入れることで自然をいつくしむ心が培われます。
パリスタイルに、明確な定義はありませんが「野に咲く草花を表現するアレンジメント」と言うとニュアンスが伝わるでしょうか。
花だけを使って豪華に飾り立てるのではなく、花に加えてグリーンをほどよく取り入れるのがパリスタイルです。全体に動きをつけながら、色味にグラデーションを出していくのも特徴のひとつと言えるでしょう。
葉物は、フランス語で”フォイヤージュ”と呼ばれます。花を引き立たせ、アレンジメントにボリュームをプラスしてくれる頼れる存在です。しかもフランスには、フォイヤジストという葉と枝もの専門の花農家さんがいて、市場に専門のコーナーがあったりします。
パリスタイルには、外出先から帰ってきて、一歩部屋に入ったときに気持ち良い場所になるよう、季節感を取り入れて空間を整えるといった意味合いもあります。
四季の花で春夏秋冬の訪れを感じたり、グリーンを添えることで、自然の美しさを味わったり、空間を整えるといった点など、パリスタイルには日本の華道に共通する部分も多く感じられますね。
いつもこころに潤いを♪春夏秋冬のパリスタイルアレンジメント
1年を通して、ナチュラルなパリスタイルのアレンジメントを取り入れて、毎日をより楽しく、より美しく。「花+グリーン」で、お部屋をみずみずしい空間へとリフレッシュしてみましょう♪
春-ひらっとフリルのパンジーブーケ
ひらひらとした花びらがエレガントですね。パンジーにスイートピーと、春を彩る花が咲き乱れていて、華やかでありながらどこかナチュラルな雰囲気も感じさせてくれます。
新緑の葉が美しいグリーンをアレンジに加えることで、あか抜けた明るい印象のブーケに仕上がっています。
こちらのアレンジメントを制作したFOUR SEASONS FLOWERは、パリスタイルのフラワーアレンジメントを提案しているサロンで、自然豊かなエッセンスを取り入れつつ、上品で洗練された作品を多く生み出しています。
「お花のある暮らし」をコンセプトに、四季の花を取り入れた季節感あふれるレッスンは、多くの生徒さんから支持を集めています。
夏-涼やかなアーリーサマーリース
爽やかな空気感ある、エアリーな初夏のリースです。野原から摘んできたばかりのような、草花のふわっとした立体感がステキですね!
胡蝶蘭やバラといった花は、どうしてもきっちりとした印象になりがちですが、レースフラワーや多めの葉物をアレンジして、表情豊かなアレンジメントになっています。
ライムグリーンの花束は、お部屋に軽やかな初夏の香りを届けてくれますね♪
このように、決まったイメージにとらわれないアレンジメントもパリスタイルの王道と言えます。
秋-夕映えのオレンジブーケ
穏やかなオレンジの色調が、よく晴れた秋の空に映えそうなブーケですね。
可愛らしく咲いた白のコスモスが、抜け感あるワンポイントになっています。赤みを帯びたグリーンは、カーブを描きながらアレンジメントされていて、秋風に揺れる自然の風景を切り取ったかのようです。
夕日のようなダリアに、ワレモコウなど秋を代表する草花をアレンジしていて、しっとりとした雰囲気の中に雄大な秋のダイナミックさも感じられます。
移り変わる季節の美しさが表現されていて、見事としか言いようがありません。
フランス語に”シャンペトル”という言葉があります。訳すと「田舎の」という意味で、自然のありのままの優美さを活かしたスタイルを指します。
美しい風景を切り取るように、草花の曲線美やコントラストをブーケで表現するのはパリスタイルの醍醐味です。
冬-粉雪舞う冬化粧のブーケ
冬と言えば、「白」のイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
真っ白な花を束ねたブーケは、ふわふわと降り積もる雪景色のよう。ちらちらと繊細な花びらのマムに、ホワイトカラーのバラやチューリップを合わせています。
イノセントな雰囲気がありつつ、ドラマチックに感じられるのは、長い枝ものや葉を上手く取り入れているから。季節に合わせた色味のグラデーションを出しつつ、大胆なボリューム感がとっても魅力的ですね。
パリスタイルではグリーンを存分に取り入れるため、たとえ花が枯れてしまった後でも、葉物だけを飾ってナチュラルなスタイリングを楽しむこともできます。
あなたも花咲くお庭を再現してみませんか?
忙しい毎日の中で、つい忘れがちな心のゆとりは、花を飾ることから生まれるかもしれません。Bon Bouquet(素敵な花束)をぜひ作ってみてくださいね。
自由で美しい自然美あふれるパリスタイルのアレンジメントは、あなたの毎日をより美しくより豊かに輝かせてくれますよ♪