第1回「フラワーデザインとの出会い」

はじめまして。東京港区、南青山・乃木坂にてヨーロピアンフラワーデザインスクール【東京フラワーデザイン倶楽部】を主宰しております吉本敬です。この度、はななびさまからのご依頼を受けまして、大変恐縮ではありましたがこちらのコラムを書かさせて頂く事になりました。

これまでに、僕自身がこの仕事で経験し、見てきたことや感じてきた事などを、「季節を愛でる」という企画のもと、全4回に渡り僕なりの視点でそれぞれの季節を綴って行きたいと思いますので、最後までお付き合い頂けたら幸いです。

まずは僕自身が、この花の世界に入ったキッカケからお話していきたいと思います。

当時、たまたま知り合いに花屋さんを営んでる方がいまして、アルバイトの方が辞めてしまったので、手伝いに来ない?というのが最初でした。 当時は、僕自身も多くの普通の男性と同じく、知ってる花と言えばバラとチューリップとヒマワリくらいでした(笑)

普通の町の花屋さんでしたが常に時間に追われ、とても充実感があり楽しく仕事をしていました。

その後、そこの花屋さんのアルバイトを辞めてから、別の仕事に就いてましたが、ある時に本屋さんで立ち読みをしていて、たまたま花の雑誌を手に取りました。その雑誌を開いた時に、これまで僕が知っている花のアレンジの概念が一気に変わりました。そこに出ていたのは、デザイナーさんたちが制作されている、フラワーデザイン作品の数々でした。

それは、これまでに自分が知っていた花屋さんで見るフラワーアレンジメントとは違っていました。花を使ってこんな風にカッコよく作る事が出来るんだ!と思い、その時に心の中で『あっ!俺これやりたい!』と素直に強く感じました。

それから、以前アルバイトをしていた花屋さんに自分の思いを伝え、どこかで勉強できる所を紹介してほしいと頼みました。市場でいろいろと聞いて回ってくれたようで、ウエディングを中心にやっている花屋さんを紹介してもらい、そこの花屋さんで7~8年働いていました。

当時は、日本もバブル経済真っ只中でしたので、ウエディングが月に100件という月もありました。平均でも70~100件くらいあったと思います。

花の仕事というのは、ご存知のように季節や季節行事に大変関わりのある仕事です。スクール業に携わるようになってからも同じことが言えます。

むしろ、スクール業に携わるようになってから、そのアレンジやデザインの由来だったり、時代背景をしっかり知るということが大切だと学びました。それを知っているか知らないかで、その一つのデザインの完成度や意味合いも違ってくるのだと思います。

ちょうど、いまの時期は日本では桜のシーズンです。桜は日本の象徴でもあり、多くの日本人の心が癒されていますね。

また、ちょうど春のこの時期、ヨーロピアンフラワーデザインを学ぶ上で欠かせないのがイースターアレンジです。イースターは聞いた事はあるかもしれませんが、日本ではまだまだ馴染みが薄いですね。

イースターとは、十字架にかけられたイエスキリストが、亡くなって3日後に復活した事に由来する復活祭の事をいいます。キリスト教徒の国では、クリスマスより重要な日だそうです。

そして、イースターに欠かせないのが、イースターエッグとイースターラビットです。

卵は生命の誕生を表し、ウサギは多産で豊穣のシンボルです。

当然、レッスンでもイースターにちなんだアイテムを作る時は、このような説明とともに、これらのモチーフを使います。そうすることによって、この一つのデザインにも意味合いが出来てきますし、よりフラワーデザインを楽しむ為にも役立つかもしれません。

イースターは毎年日にちが定まっていません。今年は4月1日です。

春の球根植物達を使って制作する、イースターアレンジは、生徒さんにも大変人気があります。

春を楽しむためには、とても良いレッスンアイテムかもしれませんね。


■コラム執筆者のプロフィール

港区南青山乃木坂にてドイツのマイスタースクールと同等のデザインを学べるヨーロピアンレッスン、様々な素材を生かした植物造形レッスンやワイヤーデザインテクニックを学べるストラクチャーレッスンなど専門性の高いレッスンから、アーティフィシャルフラワーレッスンや気軽に楽しめるコースまで幅広く指導している。

またイベント装飾をはじめとし、オフィスやショップなどの活け込みやレストランウェディングなども手掛けている。
国内外のコンペティションにも積極的に参加し、2010日本フラワーデザイン大賞アレンジ「洋」部門1位。横浜教育委員会賞受賞をはじめ、ベルギーのInternationalFloralArtコンペティションにも作品が掲載される。

近年では、異業種との『楽しくカッコいい』フラワーイベントを企画提案し、花の業界にとどまらず活動の幅を広げている。

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