過ごしやすい日本の秋は最高だと思います。ロンドンでも紅葉は見られますが、日本の紅葉の色鮮やかさは格別でしょう。
私の実家は広島ですが、安芸の宮島のもみじ谷公園、それはもう美しいです。所々にかかっている朱色の橋が紅葉となんとも言えないくらい合っていて、日本らしくて好きですね。
レッスンでは、常に季節感を考えてアトリエもディスプレイしています。秋には栗の枝を飾ったり、大きな松かさを飾ったり。皆様のご自宅でも季節を感じられる空間づくりをご提案しています。
【お花deおもてなし】レッスンでは、重陽の節句をテーマに行いました。獺祭のお酒もふるまい、お酒の中に食用菊をうかべておもてなししました。ちょっとした軽食と手作りスイーツをお出しします。
こだわっているところは、お花とテーブル・お食事・お菓子の色合いがマッチするように心がけておもてなしをすることです。そして「シンプルに・簡単に・素敵に楽しむ」がテーマです。
こうしたレッスンが始まったのも、これまでの人生の流れから来ている気がします。
第2子の娘が生まれて7~8か月の頃、本帰国が決まり、ロンドンにいた集大成に何かやりたくて、これまでお世話になった方々やご近所の方々を集めてのフラワーパーティーを考えまして、花仲間と一緒に家中を花で、飾りました。
玄関のおもてなしの花・階段の手すりにグリーンを這わせ、ウェルカムボードなども作りました。窓際にはパラレルアレンジで、ナチュラルなアレンジメント、棚の中には作ってみたかったいくつものアレンジを置き、テラコッタロボットにも挑戦しました。おもてなしのちょっとしたお菓子なども手作りして、立食パーティーでした。
今思えば、この頃から現在のレッスンの形の始まりだったかもしれません。
ロンドンに住んでいた頃は、小さい子供もいたので中心街には簡単に行けず、お友達が来るというと、手作りで簡単なケーキを焼いたものでした。日本のように美味しいものがすぐ買えるわけではないので、丁寧にしたいときは作るしかありません。
駐在の奥様方も、お料理上手な方が多く、色々教えてもらいました。また、子供が幼稚園に行くようになった2歳ころから、フレンチ・中華・韓国・日本料理と色々習ったものです。
大家さんのキャシーにも、赴任してすぐの頃に初めておもてなしされたのが、手作りのアフタヌーンティーでした。たくさん荷物を抱えて来て、テーブルにクロスを敷き、手作りのキャロットケーキとスコーンを並べ「さぁお茶しましょう」と言ってから、庭からバラを1輪カットしてテーブルの花瓶に入れてくれました。
素朴なケーキと庭からの1輪のバラが、こんなにも心を癒してくれるのかと感動したことを覚えています。
イギリスの方は、とてもお花を愛でるのが上手です。毎週末、ご主人たちは、ガーデニングをしています。庭には、季節のお花がたくさんあって、夏の夜は10時くらいまで明るいので、庭で食事をします。その時も、そっと花を飾るのが上手です。
キャシーとピーターから学びました。食卓に1輪の花があるだけで、おうちに居ながらちょっと特別な気分が、こんなにも簡単に楽しめることを……
これは、今でも我が家の生活に息づいています。
このような経験から徐々に「お花と手作りスイーツ・お食事でおもてなし」が、自然と私の中で生まれていきました。