今はまだ、寒さ厳しい冬の真っただ中ですが、外に目を向けてみると春を告げる草花が咲き始めています。静かだった庭も、徐々に色鮮やかに彩られていきます。
早春の庭に咲く花といえば、どんな花があるでしょうか。
小さいけれど存在感を放つパンジーに、優雅に咲くロウバイ、蝶のように可憐なスイートピーなど、私たちを楽しませてくれる美しい草花が多くあります。
今の時期にしか咲かない花もあり、春の花は3月ごろまでが流通のピークとも言われています。
本格的な春を前に、旬を迎える花で早春の庭を表現してみましょう。
うららかな春の風を、いち早くあなたのお部屋にも♪
「春の庭」の表現ポイント
フラワースクールのアレンジメントから、早春に参考にしたい花の取り合わせを学んでみましょう。ポイントは3つあります。
1.濃い色と薄い色を選ぶ
旬の花は、花色の種類も豊富です。次第に咲き誇る花畑のように、色のグラデーションで季節をセンス良く表現できます。
こちらのアレンジメントは、ヴァイオレットの色味が映えるアネモネに、薄紫のスイートピーやニュアンスカラーのバラ、ラナンキュラスを合わせています。ツンと張りつめた冬の空気から、柔らかく変化していく季節の雰囲気を演出しています。
冬の雪景色をイメージする白や、冷たい空気を連想するグリーン系の葉物を加えて、庭で摘んできた花を集めたかのようなナチュラル感を出すとこなれたアレンジメントになります。
冷たい冬の空気感を残したい場合は、寒色系の花色でまとめ、いち早く春の暖かさを表現したい場合は、イエローやオレンジなどの暖色系を差し色として入れてみましょう。
春のひだまりのような花が加わると、アレンジメントに光が差し込んだような明るさを感じさせてくれますよ。
2.冬と春を橋渡しする花材を入れる
1月21日は「スイートピーの日」とされています。
スイートピーが旬の時期を迎えるのと同時に、花びらが1・2・1の順で並んでいることから制定されました。スイートピーは、1月から3月ごろまで、そのヒラヒラとした妖精のような見た目と、柔らかい色合いで私たちの心を和ませてくれます。
太陽に向かって蔓をぐんぐん伸ばして成長していく姿は、マメ科の植物ならでは。雪解けの雰囲気を表現してくれますよ。
こちらはスイートピーとチューリップを合わせた、フレッシュフラワーのシャンペトルブーケです。
「シャンペトル」はフランス語で「田園風の」という意味があります。野原に咲く花のように、気負わず自然な雰囲気が感じられますね。
スイートピーは、グラデーションがかった品種やくすみカラーの品種も開発されていて、アートのような絶妙な色味が人気を集めています。染めのスイートピーを使うと、より多彩な表現ができますよ。お気に入りの色を見つけてみてくださいね♪
3.自然な形を活かす
チューリップやムスカリなどの球根花は、自由に茎をのばす姿が自然いっぱいの春の庭を連想させてくれます。少しずつ芽を出す様子を見ていると、童心に帰ったような気持ちになるかもしれません。
春を前に芽吹く、植物の若い生命力は、私たちを励まし元気づけてくれます。せっかくなら、その形をそのまま活かして動きを楽しんでみてください。
球根花は、ガラスベースを使って水耕栽培のように活けると、すくすく育つ花の成長過程が楽しめます。クリアーなガラスベースは、冷たい水の涼しげな印象もよく伝わります。
球根花の中でも、特にヒヤシンスは茎の中が空洞で強度があまりないため、他の花材とのアレンジが難しいと思われるかもしれません。
アレンジメントで使う際は、球根をそのままオアシスにワイヤーで固定したり、球根の大きさにオアシスをくり抜いてはめておくと崩れ防止になります。試してみてくださいね。
フラワースクールの早春フラワーデザイン
旬の植物を使ったフラワースクールのアレンジメントは、多彩な魅力であふれています。
アレンジメント初心者さんから、ワンランク上のアレンジメントを目指す上級者の方まで、参考にしたい花合わせをご紹介します。
チューリップのホワイトバスケットアレンジ
ホワイトのバスケットに、チューリップをメインにアレンジメントしています。雪のような白いチューリップやラナンキュラスを多めに挿しているので、今も残る涼やかな空気感が表れています。
バスケットアレンジメントは、お花の高さや角度、花の向きによって表情の違いが楽しめるので、またとない作品に仕上がります。フラワースクールのレッスンなら、ご友人や家族といっしょに参加してみるのもオススメです♪
球根付き寄せ植え風アレンジ
球根ならではの形を活かした、球根付きのヒヤシンス、ムスカリ、チューリップを合わせた寄せ植え風アレンジメントです。イエローのチューリップがワンポイントになっていますね。
茎の長さもさまざまですが、そのおかげでアレンジメントがダイナミックな印象になります。
蕾のものも混ぜているので、時間の経過とともに雰囲気が変わっていきます。花の開花を楽しみに待ちましょう♪
リーフと花のシャビースワッグ
緩やかに流れるような形が、春の風を表現しているようです。ヨーロピアンなスワッグは、ふんわりとしてボリュームがありながらも、繊細で軽やかなアレンジメントですね。
葉物を中心に、ビオラとラベンダーが顔をのぞかせます。ライトグリーンがベースになっているので、新緑を迎える季節にぴったりの色合いです。
スワッグになっているので、壁掛けにしたり、バスケットに入れたり、そのままさりげなく置いておくだけでもオシャレに飾れますよ。
ミモザとスイートピーのブーケ・ド・マリエ
いよいよ春目前!そんな嬉しい予感を感じさせてくれるのがミモザの魅力です。白のスイートピーと合わせると、作品にほどよい抜け感が生まれて、より爽やかな印象になります。
ミモザは生花を取り入れている教室も多く、ふわっとした手触りや花のアロマを楽しみながら参加できます。
「そろそろお部屋を春らしくしたいな」と思い始めたら、ぜひミモザをアレンジメントに加えてみてくださいね。
花咲く庭をご自宅にも。
はななび掲載中のスクールでは、春を待つアレンジメントをデザイン豊富に提案しています。
寒暖差の激しい季節に、そっと心を解きほぐしてくれるような優しい花束で癒されましょう。シーズナブルなレッスンが楽しめるお近くの教室はこちらから♪
まだ残る冬と、これから迎える春を同時に感じられるアレンジメントを飾ってみてくださいね。