第5回「想いを繋ぐフューネラルフラワー」

お彼岸も近くなってきたこの時期。
手を合わせ、祖先の方々へ思いを馳せる季節。
後世に伝えていきたい大切な心の繋がりです。

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仏花を納めているお寺にも、たくさんの方が足を運ばれているのを見ると、この風習は大切にした方がいいと肌で感じます。

今は、自宅にお仏壇がないご家庭も多く、またお墓参りに行く機会も少なくなっているのが現状。私たちの子供が大きくなったときにはどういうになんているんだろうなぁと時々思うことがあります。

我が家は主人が長男。
そして、娘が一人の家庭。
このままでいくと主人の祖先を守る人がいなくなります。
それでいいと主人のお父様もお母様もおっしゃってくださっていたのですが、気になるところではありました。

でも、娘がある日こう言ってくれたんです。

「ママ、私がしっかり手をわせて守っていくからね。」

まさかそんな言葉が8歳の娘の口から出てくるとは思わなかったので本当に驚きました。

我が家にお仏壇はありません。
お墓もそうそう毎日いけるほどの距離ではありません。

なぜそんな気持ちが自然と彼女の心に芽生えたのか不思議でした。

娘に「なんでそんなこと思ったの?」

と聞いてみるときっかけはとてもささいなことでした。

仏花を作ったこと。

教室を始めてから娘とよく一緒にアレンジを作るのですが、その中で作ったプリザーブドフラワーの仏花が彼女の心を動かしたようです。

仏花を作りながら彼女といろいろな話をしました。
お花のこと、昔の時代のこと、おじいちゃんたちの事、おばあちゃんたちの事・・・。

「なんでお仏壇にお花をプレゼントしないといけないの?」

「ご先祖様にありがとうの気持ちを伝えるためだよ。」

「なんでありがとうの気持ちを伝えるの?」

「だってね、今当たり前のことって、ご先祖様がみんな作ってきてくださったことなんだ。周りの人に助けられているから、普通に暮らしていくことができるんだよ。あなたの命も繋がって今、この時代にあるんだから。」

そんな話をしていていました。
その会話の中で、子供ながら繋がりの大切さ、繋げていくことの大事さに気付いたんだと思います。

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プリザーブドフラワーの仏花

水換えが不要
枯れない

という事でも注目を集めていますが、今のライフスタイルの中で、きちんと大切な想いをつなげていける素敵なお花だと思います。

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お教室でも仏花を作られている方がそれを贈りたい方のことをお話しされている時にいろいろ思い出され、出来上がったときの仏花は単なる仏花ではなく格別なお花になっています。その表情がまた素敵で・・・

日本には古くから伝わる自然の良さがあります。でも、私たちは文明が発展する中で、気付かないうちに昔の良きものを無くしがちです。
プリザーブドフラワーもそんな今という時代から生まれた新しい技術ですが、ふと忘れがちな日本の良さを思い出させてくれるきっかけにもなるお花だと子どもとのエピソードで感じました。

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永遠に枯れないという中に、さらにそんな大切な「想い」も永遠に残していけたらもっと素敵ですね。


■コラム執筆者のプロフィール

久保田利奈。
神戸三宮・元町でプリザーブドフラワー教室「フラワールーチェ」を主宰。
阪神淡路大震災で自宅が半壊した際、元気に咲いているお花も見て勇気づけられた感情が忘れられず、当時、電車の車掌として勤務しながら生花のレッスンに通い、資格を取得。
その後、フリーアナウンサーに転向し、ある現場で初めてプリザーブドフラワーと出会う。
現在、体験レッスン、資格取得、ブライダルを中心にレッスンを行っている。
また、20年ブライダルMCとして2500組以上の披露宴を担当している経験を活かし、ブーケ作りやご両親贈呈品を初めて、披露宴のコーディネート、進行などトータルで相談できると結婚式を控えられた新郎新婦やご家族からの信頼も厚い。昨年より、プリザーブドフラワーでは珍しい和の世界も手がけている注目の教室。

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