横浜で木の実とスパイスのアレンジメント教室「PureBloom」を主宰しているまきのゆきです。
前回は、「木の実とスパイスのアレンジメント」に華やかさを加える独特なものをご紹介しましたが、今回は、どのような形があるのか、そして、私自身が木の実作品に魅力を感じていることをお話したいと思います。
レッスンでは、すべての素材にワイヤーを掛ける下準備をしてから始めていますが、大きく分けて中心軸にワイヤリングしたワイヤーを巻きつけたり、束ねたりして作っていくものと、フォームに挿してフラワーアレンジメントの様に挿し込んでいくものとに手法が分かれます。
形としては、クリスマスはもちろん、それ以外にも 1 年中飾れるリース(クランツ)ヨーロッパではお守り、ラッキーアイテムとなる馬蹄形(フーフアイゼン)先端からワイヤーを編み込むツォップ、土台を長いリボンで吊るし、その上に木の実を飾るアンヘンクゼル、いわゆるブーケのシュトラウス、他にもトピアリー・ヘルツ、クレッセントなどワイヤーを使うからこその独特な形を創り出せます。
また、フォームを使って木の実でフラワーアレンジメントの基本形ラウンド、ボーゲン、パラレル、コーン、ホリゾンタル等々やフリースタイルを楽しんでいただいています。
枝葉のない、ゴツゴツとした堅い木の実でアレンジをするのは、フラワーアレンジメントをされていた方でも少し勝手が違うと唸られることですが、ほのかな香りの続くアレンジメントは、長くインテリアとしても楽しめるものとなり喜ばれています。
また、素材に耐久性もあるので雑貨等への装飾も楽しむことができます。
木の実やドライの自然素材は、生花のように枯れることはなくとも、みずみずしさや華やかさは感じにくいもの。
その代わりに、時を重ねるにつれ味わいが出てきます。
今の私には年齢的に共鳴するのか、ナチュラルな変化や深みを楽しめるようになってきました。
実は、昨年、自宅の一部をリフォームしました。
限られた予算の中でするリフォームで譲れなかったのが、床と建具の自然素材の使用でした。
1 年経って、既に床には何かを落とし傷も出来ていますが、それも自然な味わい、これから少しずつ色の変化も出てくることでしょう。
「経年化も楽しむ」・・・木の実とスパイスのアレンジメントにも共通するところです。
作りたてホヤホヤは、やはり木の実でもフレッシュな感じを受けますが、その後の徐々に徐々にの変化は劣化というより「積み重ね」とも取れるものです。
これは、自然素材ならではの事なのだと思います。
木の実とスパイスのアレンジメントに出逢ってから、ブラウンワントーンの世界に、私自身、色や素材、何を合わせるか色々な変遷がありました。
まだまだ、発展途上ですが、最近は「木の実と暮す」がコンセプトになっており、作品を作ることだけではなく、どのように住空間に合わせるか・・・
心地よい、大人スタイルな暮らしに馴染む作品作りができればと思っています。
次回、最終回はそんな木の実が私にくれたものを綴られればと思います。