木の実とスパイスのアレンジメント教室「PureBloom」を主宰しているまきのゆきです。
コラムの連載を書くこということが初体験の私は、第2回の原稿入稿後、担当の方に「次は何を書いたらいいですか?」と泣きついてしまいました(笑)
木の実のアレンジメントの作品写真をもっと見たい、テクニックを知りたい、とのことですので、今回は作品にスポットを当てたお話をしていかれればと思います。
アレンジメントに使われる自然素材は、乾燥に耐えられる植物がメインになります。
大まかに分類すると、
1、 木の実
2、種と豆
3、花
4、葉
5、枝・ツル
6、穂
7、スパイス
です。
最近は、プリザーブド加工されたものや、クォリティの高いアーティフィシャルフラワーも(不思議なことに自然素材よりもナチュラルなラインが作れることもあります。)ビーズやピック等と副材として合わせ、レパートリーを広げ楽しんでいます。
ただ、華やかなアーティフィシャルフラワーは使い方によっては、主役の木の実に取って代わってしまうことがあるので気を付けています。
そのコンセプトから外れないよう、木の実の魅力を引き出せるデザインになるよう心掛けています。
作品に使う素材には、一つ一つ丁寧にワイヤーを掛けていきます。
時には一つの作品に何百というワイヤリングを施すこともありますが、この下準備の時間は、日常から離れて無心になれる、ある意味とても贅沢な時間への入り口の様にも感じられます。
ワイヤリングは、木の実の様にゴツゴツとした堅いものから、草花のように繊細で柔らかいもの、茎のあるものないものと、その形状は様々で 20 番~30 番と幅広いワイヤーの中から適した太さのものを選ぶところから始まります。
ワイヤリングの技法も、かけつなぎ、かぶせつなぎ、ななめがけ、通しつなぎ、穴あけ挿し留、八の字がけと木の実独特なものや、プリザーブドフラワーにも使われるヘアピンメソード、ツイスティング、フック等かなりの種類があります。
適したワイヤリングをすることで、茎のない木の実や花、葉が茎を持ち、乾燥して折れやすくなってしまった草も自由に曲げることのできる素材に変わります。
そのまま、素材を接着剤で貼り付けてリース(クランツ)などの作品を作ることも手軽に楽しめて木の実を身近に感じていただける手法ですが、ワイヤーで繫いでいく技法を覚えると、輪の形だけでなくティアドロップ、ハート、馬蹄形やオーバルなど、土台がなくとも好きな形にでき、サイズも飾る場所に合った自由度の高いものを作ることが可能です。
木の実でラウンドやキャスケードなどのブーケを作ることもできますし、花器にフォームをセットしてフラワーアレンジメントのようにも楽しめます。
次回は、木の実とスパイスのアレンジメントのアクセントにもなる種花やブイロン花について触れてみたいと思います。