連載第3回目は、Apertio Floris(アペルティオーフローリス)を主宰しております川瀬珠美(かわせたまみ)です。
前回が、春から夏にかけての季節のお話をしましたので、秋から冬にかけてのお話をいたします。
夏から秋へと季節が変わると、街でも山でも紅葉のシーズンが始まります。秋の深まりとともに黄金色に変わっていく木々、稲穂や、実物が色付き実りの季節を迎えます。暑い夏が過ぎると過ごしやすい束の間の短い季節ですが、落ち着いたゆっくりとした時を感じながら、丁寧に過ごしたくなります。
そんな中の秋のレッスンは、実物や穂を使った投げ入れ、秋色のこっくりした色合いのお花達のアレンジメントが似合います。プリザーブドフラワーなら、オレンジや、濃い目のピンク、エンジ色等、フェイクの実物や、濃い目の色のリーフやリボンでシックにまとめると素敵ですね。
季節のテーマとしては、お月見、お彼岸、ハロウィン、いい夫婦の日等その時期に合わせ、レッスンする年代にも合わせた花選びでデザインを決めます。
そして秋が終わると、それまでの彩りある季節から一転し、色を失って行く時期となり、木々の紅葉の葉も散り落ち、紅葉の絨毯も色あせて、無彩色の時期がやってきます。この時期は、雪の白、寒々しい空、立ち枯れた黒やグレーのモノトーンの景色、世界が広がります。
寒々しくせわしい年の瀬に入ってきますが、一大イベントのクリスマスがやってきます。クリスマスと聞くだけで、子供も大人もワクワクとしますよね。街のショーウィンドーやデパート、ホテル等様々なデザインを目にする楽しい季節です。
フラワーデザインの世界でも、クリスマスリースやスワッグ、ツリーアレンジ、キャンドルアレンジ等、今年のクリスマスはどんな色や花材、資材、デザインで、レッスンをするか腕やセンスの見せ所です。
生徒さんも楽しみにしている時期なので、力がはいります!アペルティオーフローリスでも、生花やプリザーブドフラワーでトレンドを盛り込み、毎年違うデザインをレッスンを開催しており、生徒さんに喜んで頂けるとこちらも嬉しくなります。
そして、クリスマスの前になってしまいますが、お正月のデザインのレッスンもこの時期に行います。
お正月花は、毎年新たに作るものとして、ほぼ生花でレッスンをしています。こちらもトレンド等を意識してお正月過ぎまで長く楽しんで頂ける花材、松や蘭、ナンテン等を使い、華やかで厳かなデザインを心がけており、毎年皆さんに楽しんでいただいております。
去年から掲載を始めた体験サイトにお正月のしめ縄作りを掲載した所、若い20代の世代の方にもお越しいただけましたので、今年も引き続き開催したいと思います。
新たに迎える年を手作りのお正月花、しめ縄、お正月飾りで迎えられるのは、とても素敵なことですね。家族や訪問客が多いお正月は、さりげなくお花が飾られていると澄んだ空気が凛として心が和みます。
日本の四季を通してお花を楽しめる文化を大切に、毎日を過ごしていけたらいいですね。